不動産の査定価格は、購入者をイメージして
不動産の査定価格に影響する条件を考えて、訪問査定は実施をしましょう。
査定価格は、自分で準備して価格を上げられる要素と、物件情報により自分では変えられない条件があります。
では、それぞれみていきましょう。
自分では努力できない査定価格に影響を与えるもの
- 戸建て・マンションの質
- 築年数
- 駅からの距離
- 地域に適正な市場価格
- 近隣の施設
- 方角(マンションのみ)
- 眺望(マンションのみ)
- 道路の広さ(戸建てのみ)
- 駐車場の広さ(戸建てのみ)
など、自分の努力では何もできない市場価格の基礎となる情報があります。
不動産の査定方法として、上記のような条件などを細分化し、セールスポイントとウィークポイントを点数化して、優先順位をつけた上で点数を元に査定をしていくことが多いです。
このような既に存在している情報と、もう1点大きいのは市場の影響です。
これは2008年9月15日のリーマンショック後には不動産価格が大きく下落しました。市場の影響は、物件の価値以上に価格への影響が大きいです。また、市場という観点では、自分の物件の競合になりえる売り出し物件がどれぐらいあるのか。近所に似たような物件が売り出されている場合には、その価格によって適正な市場価格があったとしても、競合の物件との比較により高い、安いと判定されることがあります。
わかりやすいケースであれば、マンションです。
マンションは、階が異なっているだけで間取りは一緒。という場合があります。この場合は、シンプルに価格だけで比較されてしまいます。
このように、査定価格には、『物件情報、市場価格、競合物件』など、さまざまな条件によって算出されます。特に競合物件については、競合物件が多数存在する場合には、適正な市場価格より安く、競合物件が少ない場合には、一般の適正価格より高い値段にて設定することができます。
購入者から、設定した値段がどのような景色にみえるのか。このあたりを常に意識しなければなりません。
机上査定は、査定担当者によって査定価格が異なる
一般の人からすると驚きかもしれませんが、机上査定は担当者によって異なってきます。
これは同じ不動産会社においても、査定担当者が異なることによって多少前後します。
高額な不動産なので、そんなことがあっては困る。と言いたい気持ちは十分理解できるのですが
査定結果については、個人の主観が入ってしまうため、どうしてもこのようなことが起こりがちです。
机上査定の方法とは
机上査定の方法は、各社さまざまです。
不動産業者だけが確認できるレインズといわれる不動産流通サイトを利用して、『過去の成約事例』を確認したり、『新築分譲価格』などの現在の市場価格を確認したり、上記のような項目を得点にして、項目によって価格が上下している会社もあります。
最終的には、査定担当者の主観が入らざるを得ません。よって、不動産の査定価格は、あくまで売るための指標、参考程度として確認する必要があります。
特に、机上査定の場合には、訪問査定のように物件そのものを確認することがないため、目安の結果と言わざるを得ません。
これが訪問査定になると、実物をチェックするため、より精緻な査定結果の算出は可能ですが、これでも主観は存在します。査定価格に、物件情報+個人の経験値があるため、査定結果の比較は欠かせません。
ですので、不動産査定を実施する場合には、必ず複数の不動産会社に査定依頼をする必要性があります。
こんな営業マンには注意!!(安い査定算出ロジックが安易)
ここまで、査定結果には個人の主観が入ると記載致しました。
だからこそ比較が重要との話もさせて頂きました。
一方で、さまざまな不動産会社、営業マンを比較する中で、こんな営業マンがいた場合には十分注意してください。
査定価格の算出の場合に、上述で記載したように過去の成約事例は、どの不動産会社も参考にします。
その際に、不動産の営業マンが『過去には○○○○万円の売却事例があり、そこから築年数が○○年経過しているため、経年劣化が考えると○○○○万円です』と単純に経年劣化によって算出してしまう営業マンがいます。
これは、本当に本当に浅はかです。
市場の変化により、中古物件であったとしても、購入時価格より値段が上がることもあります。
- 再開発エリアとなり、駅周辺がリッチ化されている
- 各駅停車ではなく、急行が止まるようになった
- 自分の地域の地価が購入時より上がっている
このような条件などがある場合には、新築購入時より高く売れることがあります。
実際に私が手がけた中古マンションですが、新築マンション購入時は、6,700万円だったものが、築9年が経過して売却を実施すると、9,400万円で売却することができました。これは単純に地価が上がった影響が大きいです。
このように、過去の成約事例から経年劣化の影響を考えて、安い査定結果が算出する営業マンには十分注意してください。