不動産の売買には様々な税金がかかります。
消費税、登録免許税、印紙税、譲渡所得税、相続税など難しくてわかりづらいことばかりです。
これら本来かかるはずの税金ですが、ある一定の条件を満たしていると、特別控除が適用できる場合があります。
今回は不動産における税金の特別控除についてご説明をしていきます。
【不動産売却・3000万円特別控除とは何か?】
不動産を売却した場合、原則として税金がかかります。
しかし、売却をして譲渡益(譲渡所得がプラス)が発生した場合に税金はかかりますので、損失が出た場合、税金はかかりません。
『課税譲渡所得の計算式』
課税絵譲渡所得の計算式は以下のようになります。
[課税譲渡所得=※1譲渡価額-※2取得費-※3譲渡費用]
※1譲渡価額とは対象の不動産を売却した金額です。
※2取得費とは対象の不動産を購入した時の金額になります。
※3譲渡所得とは不動産会社などに支払う仲介手数料等です。
『税金がかかるのは課税譲渡所得がプラスの時のみ』
税金がかかるのは課税所得がプラスだった場合のみですので、言い換えると購入した金額よりも値下がりして課税譲渡所得がマイナスになっている場合には所得税はかからないということになります。
バブルの崩壊以降に購入された不動産は、ほとんど値下がりをしている事が多いので、課税譲渡所得はマイナスになります。
しかし、購入額が極端に安い場合には、課税譲渡所得がプラスになっていることもあります。
『税金が足枷とならないための特別控除』
不動産を売却するたびに、所得税がかかるようであれば、売却を考えている人の足枷になってしまいます。
この足枷をなくすために国は施策を設け、不動産を売却しやすくしました。
それが[3000万円特別控除]です。
居住用に限り不動産を売却した場合、課税所得は以下の計算式になります。
[課税譲渡所得=譲渡価額-取得費-譲渡費用-3000万円]で計算されます。
不動産を売却して3000万円以上の利益が出ることはほぼありません。
『大抵の場合は税金が発生しない』
3000万円以上の利益が出ることはほぼありませんので、特別控除の要件を満たしていれば大抵の場合は税金がかからないということになります。
『住宅ローンとの併用はできない』
不動産購入時、住宅ローンを組んで購入される方の方が多いと思いますが、住宅ローンとの併用ができないので、譲渡所得が少額の場合、この特例は使わないほうが良いでしょう。
例えば課税譲渡所得が80万円で、10年間の住宅ローンの控除額が130万円であれば、住宅ローン控除を選択したほうが良いということになります。
【不動産売却・特別控除を受けるための要件とは】
すべての不動産がこの特別控除を適用できるわけではありません。
特別控除を受けるためには以下のいずれかに当てはまる場合にのみ適用できます。
・現在住んでいる家屋やその家屋と共に譲渡する敷地の譲渡の場合
・対象不動産に住まなくなってから3年後の12月31日までに、住んでいた家屋やその家屋と共に譲渡する敷地の場合(この期間に賃貸や事業用として使用していても適用となる)
・住んでいた家屋が自然災害などで滅失した場合、自然災害があった日から3年を経過する日の属する年の12月31日までにその敷地だけを譲渡する場合。
・当該不動産を転居した後、家屋を取り壊した場合、転居をしてから3年後の12月31日までか、取り壊した後1年以内かいずれか早い日までに譲渡する場合(取り壊した後その敷地を他人に貸し付けたり、事業用として使用していた場合は適用外となる)
しかし、親族などの直系血族などの譲渡には適用できません。
また、3000万円の特別控除は一度適用してしまうと3年間は適用できなくなります。
【特別控除の適用には確定申告が必要】
3000万円の特別控除を受けるためには、売却した(譲渡した)年の翌年2月16日~3月15日までの間に確定申告をする必要があります。
確定申告書に特例を受ける旨を記載しなければなりません。
『確定申告書に添付する必要書類』
・土地や建物の譲渡所得の内訳書(計算明細書)
・住民票の写し、もしくは住民票除票の写し
不動産を譲渡した日から2ヶ月を経過したあとに、譲渡した不動産の所在地を管轄する市区町村から交付を受けたもの。
また、住民票の写しを提出できない場合は、代わりに以下の書類を添付します。
・戸籍の附票の写し
不動産を譲渡した日から2ヶ月を経過したあとに、譲渡した不動産の所在地を管轄する市区町村から交付を受けたもの。
・住民基本台帳に登載されていなかった事情が詳細に記載された書類
住民基本台帳は譲渡した不動産の所在地を管轄する市区町村
・譲渡した不動産に住んでいたことを明らかにできる書類
郵便物や公共料金の領収書など、その他にも客観的に証明できる書類
【不動産売却・3000万円の特別控除とは?~まとめ~】
3000万円特別控除について書きましたがいかがでしたでしょうか?
まずはこれから売却しようと考えている物件が、この特例の適用が出来るかどうかを確認してみましょう。
不動産の売却については、先ず相場を把握することから始まります。査定依頼は完全無料で利用することができますので、是非活用してみてください。