不動産を売却する上で不動産の価格を計算することは非常に重要になってきます。
しかし、不動産に詳しい人や不動産関係の仕事をしている人でなければなかなか計算することは難しいと思います。
物には一つの価格しかありませんが、不動産には4つの価格がありこれを『一物四価』と言います。
更に不動産には、不動産鑑定士が評価をして算出された不動産鑑定評価額も加わり『一物五価』となります。
どの算出方法にするかによって不動産の評価額は異なってきますので、それぞれの説明とメリットとデメリットの説明をしていきます。
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【土地価格の種類】
土地の価格には5種類の価格が存在しています。
それぞれの説明とメリット・デメリットを紹介していきます。
『実勢価格』
実勢価格とは実際に取引が行われた時の、地価や相場と言われる価格で市場に影響して随時変動します。
メリット:実際に取引された事例から得られるので実情に近い価格である。
デメリット:取引の少ない地域などの場合、類似物件がないためこの精度は低くなる。
不動産には全く同じ物件というものが存在しない為、明確に価格が決まっているものではありません。
不動産の売買取引には売主と買主の合意があって初めて価格が決まるものです。
例えば、田舎の土地が300万円で売却されていたとして、その土地の隣地の住人にとっては土地を広げるチャンスなので、300万円は安いと感じる人もいれば、反対に都会で土地を探している人にとっては価値のない土地になってしまいます。
ですが、同じ道路に面した隣り合った土地の坪単価が数万円も違うという事は起こらず、同じ道路で同じような広さなら大体同じような価格になるのが一般的です。
『公示価格・基準地価』
標準地・基準値の価格で地価と言われ、国や都道府県が公表している。
メリット:市場の取引でも使用されるため、公的指標として信頼できる価格である。
デメリット:定められた地点の価格のため、近隣の価格を計算するには補正が必要。
公示地価とは、毎年1月1日時点で国土交通省が全国に定めた地点を対象に価格を公表するものです。
実際の土地の売買価格としてではなく、あくまでも一つの指標として存在しています。
公示地価は標準値とされる土地を1㎡当たりの価格で表し、特別な理由がない限り適正な価格として判断されます。
その為、水準としての価格であって最高値や最安値を示すものではありません。
『相続税評価額』
相続税を算出する上で基礎となる土地の評価
メリット:公表されている路線価などで簡単に調べることができる。
デメリット:地価ではなく相続税額の算出用である。
相続税を計算するにはまず財産の価値を知ることが必要です。
つまり相続税評価額がわからなければ計算することができません。
この相続税評価額の計算方法は国税庁が財産評価基本通達という財産の相続税評価額を求めるためのルールを決めています。
この財産評価基本通達にそって評価を行います。
しかし、この財産評価基本通達は素人が読むには難しい内容となっている為、法律用語や税金に詳しい人でなければ理解することは難しいです。
『固定資産税評価額』
固定資産税を計算する上での基礎となる土地の評価額
メリット:課税証明書で正確に公表された路線価から簡単に調べられる。
デメリット:地価ではなく固定資産税の算出用である。
マイホームを購入した時などによく聞くのがこの固定資産税ではないでしょうか。
固定資産税とは毎年課税される税金で、土地を所有していれば必ずかかってくる税金です。
固定資産税の税額を決める評価額の事を固定資産税評価額と言い、その土地の所有者に毎年送られてくる固定資産税課税明細書で確認することができます。
例えば自分の所有している土地以外の土地の固定資産税が知りたい場合は、固定資産税路線価を使って簡単に調べることが可能です。
『鑑定評価額』
不動産鑑定士が鑑定を行う事により求める価格
メリット:不動産鑑定士の計算ミスなどがない限り客観的な土地の価格として有効。
デメリット:実勢価格とは乖離することがあるため費用がかかってしまう
不動産業者が提示する査定額は経験豊富な不動産会社が周辺の相場や、実際の取引額を参考に売れる価格を提示してくれるものですが、不動産鑑定評価額とは国家資格でもある不動産鑑定士の免許を持つ鑑定士が唯一行える独占業務です。
不動産の鑑定評価に関する法律に基づいて、合理的な市場で形成される正常な価格を的確には把握することを目的としています。
また、不動産鑑定士が作成した不動産鑑定評価書は、不動産の客観的で適正な価値を証明するためのものとして有力な立証資料となります。
【不動産売却価格を決める「五価」とは?~まとめ~】
土地の価格が5種類もあって不動産に詳しい人でなければ難しく感じるかもしれませんが、一物五価の内容とメリットとデメリットを覚えておくことで、損をするリスクを下げることができますので、不動産の売却を検討している人は覚えておくと良いでしょう。
不動産売却については、先ずは無料査定の依頼を実施してみましょう。